※nagaへ。店名、宿名等補完してもらえると嬉しいです。
3日目
カプセルの中で起きると、必ず一瞬狼狽する。
グチャグチャの泥酔状態で寝てしまうので、何が何だか分からない。狭い空間は薄暗く、どこにいるかも分からない。
しっかりと意識を覚醒させてから洞穴の中と、自分の躯の状況確認を開始する。
とりあえず軽い二日酔い。鼻が出る。やや風邪を引いているようだ。
後はエロチャンネルのチラシ見てドキマギしたり、マイク型のスピーカーを見つけておおこりゃ便利じゃと感心したりしてから、もうひとっ風呂浴びてサウナを出る。
あまり時間がないので駅弁を買って電車に飛び乗る。
風邪気味の朝から駅弁は重いなあ…
確かおたふく弁当という名前。伝統的な駅弁らしい。
釜飯系の、メシの上に色んな具が乗っている弁当を買ったが、全体的に味が濃かった。穴子や牛肉の佃煮等、材料は結構リッチ。
まーとにかく弁当を食い、瀬戸大橋を渡る。すげー絶景。思わず写メールを取ったら音が響いてヤベッと思ったけど直後に色々なところでカシャカシャ鳴りだしたので、ま、いいかと思い直す。
そういえば10年ほど前、前回来た時もこの景色で四国のイメージが決まったんだよな、と思い出したりする。
実は、日本国内で四国に一番思い入れがあったりする。
それぞれの街はどこも素敵だけど、一番住みたいのは四国だと感じていた。あの後も日本中を色々と渡ったわけで、若い頃の感傷が正しかったのか確認する旅でもある。
橋を渡る辺りから、イントネーションが香川…というか、四国独特のものになる。語尾の音程が上がる。
あー、このイントネーションで、少女に「アリガトゥ」とか言われてキュンとしたりしたなあなどと、細かい記憶がつんつく疼いて楽しい。
高松着。
まずは宿探し…なのだが、非常に暑くて荷物を持ったまま歩き回る気がしない。
観光案内所に直行する。
今日はnagaと落ち合う予定なので、2人で泊まれる駅前の安い宿、という条件で探してもらうと、1軒あるとの事。
予約してもらってそちらの宿に行くと…
ボロい。もうひたすらボロくて、綺麗に維持しようとする努力もなく、愛想もあまりない。
洗面所と書かれた場所を覗くと、以前は風呂場だったらしき場所が封印されており、文字通り洗面台しか使えなくなっている。流した水は下水管を伝うのではなく、床に直接落下する。和式トイレの淵には何だか嫌な感じの物がこびり付いている。
とてつもなく寂しい気分になり、次にここに戻るのは深夜、完全に泥酔してからだと心に決める。
nagaをのんびり待つつもりだったが、こんな薄汚いところに長くいたくないので、そそくさと宿を出る。
そして当てもなく高松の街を散策開始…って、広い!
メチャクチャ広い。
密度のある町並みが、延々と続く。
やっぱ力持ってた城下町は違うなあと感心する。
とりあえずその辺のうどん屋でおろしぶっかけ食べる。旨い。それにしても随分コシがあるなあ…と思って食ってたら「当店は讃岐うどんの中でも堅めなので、柔らかめご希望の方お申し付け下さい」と、張り紙があった。明石屋だったかな?
とにかく探検!という事で、ひたすら歩く。歩きすぎて体調が悪くなっても歩く。
途中、スタバのねーちゃんにフローズンなんとかの試飲を勧められ、たどたどしい説明を聞きながらおいしく頂いたり、本屋のあんちゃんと世間話をしてほんわかしたりしたが、連休明け、仕事始めの町中で、そんなに面白い事が起こるものでもない。
本屋が多いのには好感が持てるが全部同じ店名で、高松を牛耳る一大チェーン店のようだった。
結局一通り街をぐるぐると一周してしまい、退屈してきたところでnagaから連絡。
ようやく合流する。
いきなりnagaは仕事の電話をしながらの再会であった。
うーん、エリートサラリーマン。
とりあえずうどんを食おうと、リサーチ済みのうどん屋へ向かう。名前忘れた。セルフではなく、東京の蕎麦屋のようなしっかりした店構え。
讃岐うどんにしては細麺で、どことなく繊細な味。俺の頼んだ「冷やしたこ天うどん」は、650円とこの辺のうどん屋にしてはやや高いが、これでもか!というくらい大量のたこの天ぷらが入っていて、大変旨かった。
しかし俺はどうも風邪に加えて熱中症気味になっていたらしく、なかなか元気が出ない。どうしたものか…
二人とも腹も満ちてしまい、特に観光スポットも思いつかないので港に向かう。
ここから桃太郎の鬼ヶ島に行けるらしい事がわかり、最終便の1つ前の船に乗ってとんぼ返りの遊覧としゃれ込もうとしたが、船に乗り込んでから島に海水浴場がある事を知り、急遽降りて明日の朝行く事にする。
代わりに、展望台のある高い塔に登る。
凄く高かった。
高松の街が一望でき、壮観。
かなり計画的に町作りがなされている。
自然も多く、地域の豊かな様子が見て取れる。
どの辺りまで細川が牛耳ってるのかなーと、城址を中心にいやらしい目で街を眺める。
このタワーは、高松のシティボーイやギャル御用達の場所らしく、3フロアに渡って夜景が一望できる高級レストランが商売をしていた。
フロア毎に日、中、伊の料理の鉄人(とか有名な人)が仕切っていて、確かに高級なんだけどもの凄く俗っぽくてアホらしくて良かった。
きっとその下の数フロアを牛耳ってるドコモの社員が女をかます為に連れて行くのだろう。
別に僻んではいない。
俗っぽくなく、高尚な趣味のボクちゃん達は妬み嫉みや欲望の渦巻く天界を降り、下界の人々とのふれあいを求めてまた街をふらつく。
しかしいい加減俺は体力の限界であり、ちょっとリセットをかけないと何をする元気も出ない。宿に戻るともっと体調悪くなりそうだし。
という事で、飲み出す前に風呂を提案する。サウナがあったら休憩という事でフラフラしていたら町はずれに出てしまい、サウナの代わりに銭湯発見。
前人未踏の旅先普通の銭湯潜入大作戦を決行する。
番台も含めて爺さまばっかりで、大変ひなびた風情。貸しタオル20円、石けん20円。木戸銭320円。
20年くらい前から時間止まってるんじゃねーのか。
清潔で、湯加減も良い。
白バラ牛乳も飲んで、体力が完全回復した。毒(風邪)も治った。ゲームの宿屋並みの快復力。
さー、どこでも付き合うぜ、nagaよ。
しかし、どうも今日まで市場が休みだったらしく、お目当ての店等開いていない。また随分と迷った挙げ句、適当な割烹料理屋へ突撃。また店名忘れた…○津というような2文字だったんだけど…
客は女1、男1。席が離れているから友達というわけでは無いらしい。板さんと3人で、適度な緊張感で和やかに盛り上がってい…たところに俺たちが入ってきた途端、場が崩れて会話が止まる。おまけに席が、二人の間に割って入る事になる。
これはキツかった。全然俺達は悪くないし、別に周りが俺たちを歓迎していないわけでもないが、とにかく場を崩した。申し訳ない事をした。
ボソボソと、ビール、イカ刺し、カツオタタキ等を注文する。
市場やってないから流して営業していたようで、注文の品もあまり無くて板さんに恐縮され、ますますこちらも恐縮する。
風呂上がりのビールはやはり旨く、カツオも注文をしてからタタキ立ての物を出してくれてすこぶるうまい。イカはエンペラの部分をごく軽く昆布で〆ていたような気がする。
100%のこの店の実力を見たいところだ。
ちょくちょくちょっとした小鉢を出してくれたりして、大変気持ちよいサービス。
何となく場もほぐれてきて、めいめいに板さんや従業員と会話をしているようでホッとする。
俺とnagaは、明日鬼ヶ島に行ける興奮から、日本の昔話の起源についての推理を、何の根拠や資料もない状態で延々と熱心に話し続けた。この不毛さがいい。
ほろ酔いで店を出る。「何もなくて申し訳ありません」と板さん。驚くほど安い会計だった。
小鉢をサービスと考えても、席料も取っていないようだ。
もう一度行きたい。さんざ歩き回ったので、さすがに場所は覚えた。
次にnagaが洋酒が飲みたいと言うので、ショットバーを探す。候補が2,3軒あったが、一番地味そうなワイルドターキーの看板の店に入る。
カウンターにはターキーを含む洋酒が10種類程度しか置いておらず、お姉さんが3人並んでいる。
あ、これはバー型スナックのようなものかな…と、一瞬アレな気分になるが、ま、とにかくバーボンは飲めるわけで、とりあえず腰を落ち着ける。
結果的に、お姉さんがちょっと多めにいて、混んでてもお話し相手に不自由しない、普通のショットバーだった。キープされてるボトルは焼酎が多かったけどな。
多分、洋酒に詳しい客があまりいないのだろう。
主にちょっと常盤貴子似の綺麗なお姉さんが話し相手になってくれたのだが、南国的おおらかさがあって、ちょっと天然っぽい余裕も感じて大変素敵だった。可愛らしい高松弁も存分に堪能できた。やっぱり四国に住みたいと思った。
お姉さんの話では、先ほど行った割烹は知る人ぞ知る、名の通った旨い店らしくて、お姉さん(以下タカコ)もちょくちょく行くらしい。特に煮物等のダシが絶品だそうだ。確かに小鉢で出てきた里芋の炊き方は絶品だった。
他にも、うどん屋でかけうどんのダシをもらって鍋のベースにする等、高松市民のちょっとした知恵なんかも聞けて、大変楽しかった。
そしてここも大変安い勘定だった。
nagaと共にタカコの素晴らしさを賛美しつつフラフラと宿まで戻り、安らかに眠りについた。
起きたら布団に巣くっていたのだろう、虫さされが酷かった。
高松は、宿以外は最高でした。
続く。
宿は、「みそ乃館」。
うどん屋さんは「うどん棒」で、
割烹料理屋は「津田」だね。
タカコの店は・・
タカコの顔しか覚えてない。
お、さんきゅー。
俺、タカコの顔をすでに覚えてない