流れ旅日記6 窪川~高知

5日目
とりあえず朝ご飯。
美人女将の作るご飯は、シンプルだがどれもおいしかった。
しめじ卵とじなど、味付けがどれも優しい。

しっかり食って四万十川へ。
昼まで荷物を預かってもらえないかと頼むと、快く快諾してくれる。
相変わらず痛い足を引きずり、タクシーに乗る。
近くの沈下橋まで…と頼むと、ちょっと不思議そうにされる。いえいえ、キャンプ場とかでなく、ただの沈下橋でよいのです。
石垣島の海でも同様の話を聞いたが、この辺りの子供は川では泳がず、学校のプールで泳ぐそうだ。川を随分怖がるらしい。しかしこれはある意味正解で、死ぬのは大抵がどこかから遊びに来るよそ者の子供だ。
しかも親の監視下にない、毎日の水遊びの事だと考えると、この辺りの大人が川遊びを止めるのも当然のことだろう。
今年も何人か、旅行者の子供が死んだらしい。

目の前に四万十の河は延びているものの…目的の沈下橋は随分遠い。3000円程かけて、ようやく目的の橋へ。
何もない。
草むらの中の広い河に、柵のない簡素な石橋が渡してあるだけだ。
だがそれがいい。
東京から思い焦がれていたとおりの、素朴で、雄大な眺めであった。
思えば、この場所に来るために東京から遠路はるばる長い旅路を渡り歩いてきたのだ。
まさに、感・無・量☆である。

ウソ。
nagaはそんな感じだったらしいが、俺の目的はあくまでカツオと酒とできればタカコみたいな綺麗なおねいちゃんとのほんわかとした出会いであり、本当は河なんぞどうでも良かった。
…どうでも良かったのだが、そんな俺ですら旅の目標を変更せざるを得ない、素晴らしい河っぷりだったという事だ。
サイズも程々で場所によって表情ががらりと変わる、理想的な日本の川といった風情でありましたよ。

で、当然オヤジ子供である二人が、腰に手を当てて雄大な眺めをひとしきり眺めて帰る…などと大人しくしているはずが無く、子供も赤面するはしゃぎっぷりで泳ぎまくる。
沈下橋からダイナミックに飛び込み、橋からぶら下がっているロープにしがみつき、川底に100円発見と聞いては延々と潜って探し続け、まあとにかく童心に返って遊びたおした。
おっさん二人きりで。
相当変態的だとは自覚している。
年寄りには厳しい水の冷たさだったが、かねてからの猛暑で、比較的楽に泳ぎ続ける事ができた。
途中、おばあちゃんと小さい孫が散歩で橋を渡りに来ていたが、おっさん二人が車も無しに泳いでいるのが相当奇妙だったのだろうな~。しばらく孫と二人で眺めていたよ。

そんなこんなでひとしきり遊び、しばらく歩くと酒屋を発見したので風呂ならぬ川上がりの冷酒を一気飲み。旨かった。しばらくして酒が効いてくるまでのタイムラグが良い。
道なりにタクシーと合流し、宿へ戻る。

溌剌とした笑顔の、少女的な美人の方が玄関先でお出迎え。
昨日同様、小さい2足歩行も後ろをちょこちょこ付いてくる。
そして、さらに、でかい2足歩行も出てきた。
朴訥とした、日に焼けてがっしりとした体つきの、やはり飛び切り笑顔の気持ちいい青年だった。ハンサム。
ああなるほどね…

窪川くんだりまで子供みたいな川遊びをしに来るおっさん二人組がいれば、同い年くらいで、田舎で綺麗な奥さんをもらって、かわいい子供も儲け、一生懸命家庭を守っている青年もいるわけだ。
同い年くらいと書きながら呼称が変わるのも、いかんともしがたい。客観的事実だからな。
別にうらやましくはないが(本当だ)、人生には色々あるなあと思いました。

何にせよ本当に理想的な美男美女カップルに見えました。
どーでもいいですよー…
高知へ。

高知へ着くと、さらに気温と日差しがヒートアップしていた。
駅近のホテルは大変清潔で整備されたもので、さすがnagaの会社の息のかかった設備!という感じがした。
かなり俺は疲れを感じていたが、実質最終日(翌日東京帰る)という事もあり、全生命力を振り絞って街を歩く事にする。
nagaがスパゲティを食べたいらしく、街をうろつきながら探す。結局高知まで来て「何たらTOKYO」とかいうトーキョーをウリにした喫茶店に入る。
ウエイターの子供は完全に夏休み高校生の小遣い稼ぎでどうしようもなかったが、スパゲティーはスープやデザートも含めて大変おいしかった。
食い物屋が集まったひろめ市場へ向かい、10年の月日を感じる。随分ボロくなっていた。
前に来た時はこの場所で素敵な出会いなんかもあったなあ…
当然あの子はいなかった。
10年越しに会いたくもないけどな。色んな意味で。
それからお隣の高知城へ。
俺は山内一豊について殆ど知識が無いにも関わらず適当に、しかし強行に自説を披露してしまい、随分重度の自己嫌悪に陥る。ホント、きちんと調べていない事は喋るもんじゃない。
反省は、これからの仕事で活かそう。
ついでに体力メーターは完全に0になり、ちょっと再起不能気味。一度宿に戻る事を提案。

帰り際、以前高知に来た際に遊んだ通りに出くわし懐かしくなる。本屋で任侠沈没第2巻発見。ウキウキする。
日本3大ガッカリ名所と呼ばれるはりまや橋をこれまた10年ぶりに渡り、宿へ戻る。

ちょっと長くなりすぎたので、やはりもう1回続く。

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