妖怪大戦争

ものすごい今さらですが、DVDで観たので感想です。

夏にこの映画に女の子を誘ってドン引きされて以来観ていなかったのですが、面白いですね。
三池監督、いいなあ。<以下ネタバレ含みます>


川姫の「私は復讐しない。復讐こそが、人間の証だから」というセリフに胸を打たれました。
タダシが加藤を倒すのも、人類を守るためというよりも、すねこすりの弔いなわけで、復讐ですよね。正義のヒーローであるタダシが、妖怪たちが忌み嫌う人間の業をモチベーションに、悪の大将である加藤を倒しに行く。タダシは言います。「加藤、お前だけは絶対にゆるさない」。

沖縄という県は、実はゴミの不法投棄がとても多くて社会問題になっているらしいです。
それはなぜかというと、不法投棄された被害者の人たちが寛容だからだと記事で読んだことがあります。
映画の中の妖怪たちも寛容です。
加藤を止める役目を担っている猩猩らは、麒麟送子であるタダシとともに加藤に立ち向かいますが、その他の妖怪たちは、危機感はあるものの、加藤に立ち向かう姿勢をみせません。どこか呑気な感じです。

一方、もともとは妖怪の仲間だったのに、悪の側にまわってしまったアギはどうか。加藤にぞっこんですね。加藤と身も心もひとつになることだけを願って、かつての仲間を捕らえ、殺します。加藤への愛がゆえに、悪事を働くわけです。

人間に絶望し、復讐に執着する加藤。加藤への愛に執着するアギ。すねこすりとの友情と、正義に執着するタダシ。執着はいけない。執着こそが人間の業である。といってしまうと、それは仏教の教えに限りなく近づいていくのだと思いますが、それを三池監督は、小豆一粒で転倒させました。この小豆一粒というのが、僕は痛快でした。しかも、なんにも知らずに集まった地方の妖怪たちは「最高の祭りじゃ」と大騒ぎし、最後の大爆発もまるで波のプルーで遊んでいるかのよう。でも東京はしっかりと大破壊されていますね。

まったくまとまっていませんが、執着をもたない妖怪たちには、破壊も発展のモチベーションもありません。人間たちを忌み嫌いながらも、彼らを許す姿勢を持っている。
一方、加藤やアギやタダシは、ものごとを破壊したり、リセットしたり、新しく作ったり、大事なものを守ったりするモチベーションを持っています。

やっぱり答えの出ない問いのような気もしますが、作り手側の真摯なメッセージを感じました。
実はこの映画を観る僕のモチベーションは、川姫がたいそうエロいらしいという評判だったのですが・・

One Response to 妖怪大戦争

  1. ba-by より:

    え、結局女の子にドン引きされて一緒には見にいかなかったの?

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